今回は無垢の床の魅力について、自然素材を使用した空間づくりのプロ 株式会社Tree to Greenにインタビューしていただきます。(いえーる すみかる編集部)
こんにちは、ザク男爵でございます。将来の夢は無垢の床のリビングで子供とゴロゴロすることでございます。
さて、前回は無垢の床を導入する上で気になることを、無垢材を使った空間作りのプロ 株式会社Tree to Green の村上さんに聞きました。
「無垢の床にするデメリットは、ほとんどありません。」
優しくも力強い口調で説明して下さった村上さんがとても印象的でした。
無垢の床の魅力を再発見しましたが、では実際に無垢の床を導入した場合、メンテナンスはどのようにしたらいいでしょうか。
今回は無垢の床のメンテナンスについて、村上さんにお話を伺いました。
「無垢の床、いいかも!」と思ったあなたは、ぜひ無垢の床を導入したつもりで、お読み下さいませ。
無垢の床の暮らしのポイントは、メンテナンス
美しい無垢の床を長く楽しむためには、どんなメンテナンスが必要でしょうか。
気合を入れてインタビューしようとした矢先、村上さんから、
「メンテナンス!メンテナンス!と、肩ひじを張る必要はありませんよ。」
と、優しく諭されてしまいました。・・・村上さんは私の心を読めるのでしょうか。
ですが、「無垢の床は何かとメンテナンスが大変」というイメージを持っている方が多くいらっしゃるはずです。本当にメンテナンスはそこまで必要ないのでしょうか。
意外な答えで肩透かしをくらいましたが、村上さんの説明を聞いて私は静かに納得しました。
無垢のメンテナンスが思ったより簡単なのには、次の2つの理由があったのです。
まず1つは、木そのものに、もともと耐久力が備わっているからです。
自然界に自生している木は、虫に食べられないように木自身が油を生成して、食べられないように耐久力を高めているのです。
木が持つ耐久力は製材して無垢材に加工しても、木本来の耐久力として残ります。
ですから無垢の床には、もとから耐久力が備わっているので、メンテナンスが思ったよりも簡単に済む、というのですね。
そして無垢のメンテナンスが簡単なもう1つの理由は、無垢材を製材する過程で、オイル塗装やウレタン塗装をしているため、そもそも汚れに強いからです。
「無垢材、天然木」と聞くと、汚れがしみついて取れなくなるイメージがありますが、無垢の床に使用する床材は、表面塗装をほどこしているため、汚れがつきにくいのですね。
村上さんからの「メンテナンスは意外と簡単」との回答には驚きましたが、理由を聞くと反論の余地すらありませんでした。
無垢の床(フローリング)のメンテナンス方法
では具体的には無垢の床のメンテナンスは、どのようにしたらいいのでしょうか。
村上さんの推奨する無垢の床のメンテナンスは、次のようになります。
日ごろのお手入れ
無垢の床を美しく保つには、日ごろのお手入れが大切です。
「日ごろのお手入れ!?・・・やはり無垢材はメンテナンスが大変なのは本当だったのか!」
と、思ったあなた。さすが鋭く突っ込んで頂きましたが、それは半分正解であり、半分は間違いでございます。
なぜなら無垢の床を美しく保つ日ごろのお手入れは、とても簡単にできるちょっとした作業だからです。
まず毎日のお手入れの基本となるのが、汚れをためないことです。特にフローリングの隙間に汚れをためると、美しさが損なわれてしまうので注意が必要です。
無垢の床にたまった汚れは、掃除機で吸い取るのが最も簡単な方法です。
また水をこぼしたり、汚れ(食べこぼしなど)が床についたときは、あわてず雑巾などで拭きあげましょう。
このとき水ぶきではなく、からぶきで汚れを拭き取ることがポイントです。
なぜなら無垢材にはコーティングがされているので、水ぶきで水を使用するのはよくないからです。どうしても水拭きをする場合は、固く絞ることが必要です。
また汚れを取ろうとして、洗剤を使用するのは厳禁でございます。
それは木自身がせっかく生成した油を分解してしまうからです。油を分解してしまうと、耐久力の低下にもなりますので、洗剤のご使用はお控えください。
月に1回のお手入れ
さて、毎日のお手入れの次は「月に1回のお手入れ」を聞いてみましょう。
村上さんに「月の1回のお手入れは、どのようにしたら・・・」と質問している途中で、
「それは必要ありませんね。」
と、バッサリ回答頂きました。・・・あ、ありがとうございます。
どうやら、無垢の床は毎日のお手入れ(と言っても掃除機でゴミを吸う程度)をしていれば、月1回のメンテナンスは不要なようですよ。
意外すぎて拍子抜けです。でも、これなら自分でも無垢の床と付き合っていけそうだなって思いますよね。
1年に1回のお手入れ
月に1回のメンテナンスはございませんでしたが、1年に1回のメンテナンスは必要です。
1年に1回、床材の塗装に応じて、ワックスやオイルを再塗装することが必要になります。
ウレタン塗装の場合・・・ワックスを再塗装。
オイル塗装の場合・・・オイルを塗り足す。
私は「絶対にもっとメンテナンスをしなくちゃいけない!」と思い込んでいましたので、村上さんに「他に何かメンテナンスは必要ですか・・・?」と聞きましたが、
「これで十分ですね。」
と、明言頂きました。・・・イエス、たったこれだけで十分だそうです。
木材の仕上げ方によって変わるメンテナンス
思ったよりも簡単なメンテナンスで、「不器用でものぐさな私でもいけそうだな・・・」と内心ほくそ笑んだ方も多いでしょう。
ですが無垢の床のメンテナンスは、表面の塗装によりメンテナンスが変わるので注意が必要ですよ。
無垢材にオイルを浸み込ませる、オイル系塗装の場合
無垢材にオイルを浸み込ませる、オイル系塗装をした無垢材の場合、オイルを再塗装する必要があります。
木材にオイルを浸み込ませただけなので、汚れがつきやすいデメリットもありますが、導入後のメンテナンスは非常にやりやすいです。
またオイル系塗装は人体に害のない成分なので、小さな子供のいる家庭にもお勧めでございます。
無垢材の表面をウレタンでコーティングする、ウレタン塗装の場合
無垢材の表面をウレタンでコーティングした、ウレタン塗装をした無垢材の場合、ウレタン膜の上に、もう1枚ワックスを塗る必要があります。
ウレタン塗装はしっかりと汚れを防いでくれるので、汚れがつきにくいメリットがありますが、傷ついたウレタン塗装を表面を一般の人がメンテナンスするのは難しいです。
ですので、プロに依頼するのがお勧めです。
また人体に害のある揮発性物質が微量ながら発生してしまうデメリットも考慮しなくてはいけません。