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木育ワークショップのススメ 〜子どもが夢中になるモノ作り〜

ジャンプする子ども

子どもが楽しめる何かを見つけよう!

こんにちは、いえーる すみかる編集部のゆずきです。
みなさんは子どもとワークショップに参加したことはありますか?
私も幼児期の子どもを育てていて、子どもに何か楽しみながら挑戦できることをやらせてあげたいと日々思っています。
習い事もよいのですが、もっと遊びの延長線上でいつもとは違う体験をさせてあげたいと感じるのは私だけではないはず。
今回はモノづくりを通じて楽しみながら色んなことに挑戦できる「木育ワークショップ」を紹介します。

ワークショップのポイントは『楽しみながら』と『自分の意思で』

クレヨンと積み木で遊ぶ子ども

子どものペースでじっくりとやらせてあげよう

子どもが楽しみながらできることを見つけよう!

子どもに何かを学ばせたいときは、楽しみながらできるようにするとよいようです。
子どもは遊びの中から、人生に必要なさまざまなことを身につけていきます。
また、子どもに何かを教えるときも押し付けるのではなく、まず子どもが興味を持って楽しむことから始めるということを意識してみましょう。

大切なことは、自分の意思で始めること

親はどうしても、「将来役に立つから」「勉強になるから」という視点で物事を考えてしまいがちです。
習い事などを選ぶ際も、つい親の考えを押し付けてしまっていないでしょうか。

しかし、本当に子どもが興味をもって取り組むためには、親が一方的にやらせるのではなく、子ども自身がやりたくて始めることが大切です。
大人の役割は、子どもの好奇心をかき立てるために、色々な角度から物事を見るヒントを与えたり、興味を持つきっかけを作ってあげたりすることです。
子どもは、さまざまなことに興味を持つことで、学ぶ力を身につけていきます。

まずは身近な木と触れ合ってみよう

木と子ども

子どもは木と触れ合って多くのことを学びます

そうは言っても、子どもがどんなことに興味を持つかわからない人も多いのではないのでしょうか?
そんな時おすすめなのは子どもが興味を持ちやすい、子どもが大好きな自然、特に「木」との触れ合いです。

子どもは幼い頃から、木や葉、木の実などに興味津々ですよね。
落ち葉やどんぐりを集めたり、木の枝を拾って持ち歩いてみたり。
お子さんがいらっしゃるママなら何度も目にしている光景ではないでしょうか?
そんな気持ちを大切にしてワークショップを選んでみるのも良いかもしれません。

楽しみながら手軽に始められる木育ワークショップ

木と触れ合うのにお勧めなのが「木を使って自分のものを作る」木育ワークショップです。

実際にどのようなワークショップなのか、木育ワークショップを運営し木育を広める活動をしている㈱Tree to Greenにて、ワークショップの企画運営を担当している伊藤さんに聞いてみましょう。
Tree to Greenは、日本の木の素晴らしさや日本の文化・伝統技術を世界中の人に伝え、暮らしにうまく取り入れてもらうための活動を行なっている団体です。
Tree to Greenと活動をもっと知りたい方はこちらの記事がオススメです:Tree to Greenに聞く、パパママのための木育講座

木を使って自分のものを作る木育ワークショップとは?

公園でワークショップをする伊藤さん

公園でワークショップをする伊藤さん

木育ワークショップでは、子どもたちが実際に木に触れ、その感触や匂いを感じながら、のこぎりで切ったり、くぎを打ったりしてお箸、椅子、写真立てなど1つのモノを作り上げていきます。
その中では、普段あまり見る機会のない丸太を輪切りにして椅子に加工したり、自分でくぎを使って椅子を組み立てたりという体験ができます。
下は3歳位から、内容によっては大人まで。みんな自分の意思で楽しんで参加してくれます。

本物の木は、触るとぼこぼこしていて、種類によって色も匂いも違います。
木育というと勉強のように感じるかもしれませんが、木を“感じる”ことがとても大切です。

木の良いところは、のこぎりでカットすれば小さくなるし、自分の好きな形にできること。
たぶん子どもたちは、床や家具を見ても、もともと丸太のような形からできていることを想像しにくいんですよ。
実際にワークショップで木を使ったモノを作ることで、森に生えている「樹」と加工された「木」がつながり、自然を身近に感じてもらえるといいですね。

家にちゃんと飾れるモノや使えるモノが出来上がると、子どもも親もとても喜んでくれます。
お箸作りのワークショップでは自分が使うお箸を作るので、子どもも真剣です。
一生懸命作ったものだから大切にするし、箸が上手に使えるようになったという声もよく聞きます。

五感を研ぎ澄ませて作業に集中

釘を打って写真立てを作成中

ひたすら集中して釘を打つ、「写真立て作り」木育ワークショップの様子

ワークショップを行う際は、最初に一度、作り方を見せてあげます。
そのときに木の匂いをかがせたり、音を聞かせたりします。

のこぎりで木を切ると、切り始めと切り終わりの音が違うんです。
釘も、まっすぐに打てている時の音や、曲がっている時の音が違い、聞き分けることができます。
子どもは素直なので、そのような音をかなり敏感に感じてやっていきます。

普段の生活では、危ないとつい手を出してしまうことも多いです。
しかし、ここでは必要なことを最初に教え、あとは大人が手を出しすぎず、子どもに寄り添いながらやり遂げるのを見守ります。
子どもは釘の音などを感じて、自分で同じようにやってみるのです。
釘を打つのも最初は難しいですが、何本も打っているうちに、曲がっても修正する力がついてきます。
初めての子どもでも、ワークショップ内でやっているうちに見違えるように上手くなります。

ワークショップでは、どこかにちょっと緊張するような、子どもが集中するようなところを作ってあげるようにしています。五感を研ぎ澄ませて、まわりが見えなくなるほど集中するようなポイントを組み込むと、格段に上手くなりますね。
ここでは最後まで根気よく、木を磨いたり釘を打ったり、もくもくと集中して作品を作り上げる子どもの姿が見られます。

作品作りに使っているのは、ワークショップを開催する地元の木材。
ワークショップの中で、木の種類によって匂いが違うことや日本の木が国内でどれくらい使われているのかといった話もお話しします。
このように大人が子どもと一緒に遊び、遊びを通して森林のことを教えてあげることで、子どもの森林に対する見方が変わっていき、自然を大切にする気持ちが芽生えるようです。
子どもはもともと自然が大好き。木に触れ楽しみながらいろいろなことを学んでいきます。

五感で木を感じながら、使えるきれいな形になるものを作らせてあげたいですね。これからは、公園などで集めた素材を使ったワークショップなどもできればいいなと思っています。子どもにはなるべく自由に、いろいろなことをやらせてあげたいです。

今回のワークショップを通して感じた『根気』

丸太をのこぎりで切る

「丸太切り」木育ワークショップの様子

Tree to Greenのお話いかがだったでしょうか?子どもの持つ力を信じ、子どもがやりたいことを最後までやらせてあげる。親や周りの大人が口や手を出しすぎず、手助けが必要な時に必要な手を差し伸べる。
木育ワークショップの話を伺って、そのような関わり方をする中で子どもの根気が身についていくのではないかと、私は感じました。

根気とはものごとを継続してコツコツとやり遂げる、最後まで頑張れる力。
子どもに根気を身につけてほしければ、大人が途中で子どもの活動を中断させないことが大切です。

つい「早く、早く!」などと大人が割り込みたくなる場面でも、ぐっとがまん。何かに集中しているときは、子どものペースに合わせてあげましょう。
そう考えると大人の側も、子どもがやることをじっと待つという忍耐力が必要になります。そして、たとえ失敗したとしてもそっと見守ってあげたいものです。

「失敗しそうだな」と思ったときに口出しをしないのは難しいことかもしれません。
しかし、根気というのは、すぐ人に頼ったりせずに納得できるまでやり抜くことで身につくもの。
そのためには、子どもが集中してじっくりと取り組むことのできる環境を用意してあげるのも大人の役目ではないでしょうか。

さらに、根気をつけさせるには褒め方にもコツがあります。「うまくできたこと」をほめるのではなく、「努力したこと」をほめるようにしましょう。

努力を認めてあげると、子どもは失敗してもまたチャレンジしようという意欲、すなわち「あきらめない力」を持つことができます。
また、うまくいかなかったときにその理由を探り、最善の方法を考えることができるようになるのです。
これが、根気よくものごとに挑戦する力につながります。

木育ワークショップのように子どもが楽しみながらものづくりに挑戦する、そして大人は遠くから見守り、出来上がった時にたくさん褒めてあげる。
このようなやり取りの中で根気が育まれていくのかもしれないと感じました。

木育ワークショップの『木育』とは

「木育」とは、一言で表現すると「木を大切にする人を育てる」ことだそうです。
幼いうちから木に触れ合い親しみを持つことで、自然を大切にし、地球の環境を守ってくれる、そんな人に育ってくれたらいいなと思いました。
また、幼いうちから木に触れていると、子どもの感受性を豊かにすることが期待できると言われています。これも嬉しい効果ですね!

日々の育児にワークショップを賢く取り入れよう

こんな子に育てたい・・・と思っても、日々の育児で全てを行うのは難しいものです。
今回ご紹介した木育ワークショップやイベントなどを賢く利用し、子どもの好奇心を刺激して楽しみながらいろいろな経験をさせてあげてみてはいかがでしょうか?

今後の開催予定・過去の開催レポート

Tree to Greenの木育ワークショップは首都圏を中心に不定期に開催されています。
詳しくはこちらをご覧下さい。
予約なしで参加できる木育ワークショップまとめ

【PR】株式会社Tree to Green
株式会社Tree to Greenは、衰退傾向にある国内森林資源と伝統的な木工技術を持続的な成長産業することを目標に、長野県木曽郡をはじめ、地域の伝統職人等と商品・サービスを開発し、国内外での需要拡大に努めています。
木曽檜の商品ブランド事業(木曽生活研究所)、オフィスや商業施設、ショップ、保育園等の空間の内装木質化を中心に展開しています。
・Tree to Green
http://treetogreen.com/
・木曽生活研究所
http://kisolabo.treetogreen.com/

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