すみかる住生活版

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引き出しの中で眠っている手拭いを活用しよう!

家の中を探すと、どのご家庭でも、きっと1本や2本の手拭いが眠っているのではないでしょうか。昔は活躍していた手拭いですが、今ではタオルにその地位を取って代わられているように思います。

手拭いをもらったものの、どうやって使えばいいのかわからなくて、使ってない方も多いのではないでしょうか。手拭いはとても便利なもので、いろいろな使い道があります。

ぜひ、その良さを再確認して、手拭いを日常生活に活かしてみましょう。

手拭いのよいところは?

手拭(てぬぐい)は、汗や顔や手を洗った後の水を拭ったり、入浴時に体を洗ったりするための木綿の平織りの布である。その他、寒暑除けや塵除けなどの目的や、祭礼においての装身具として頭にかぶるものである。

(ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%8B%E6%8B%ADより引用)

現代でも、農作業やお祭、剣道などで使ったり、年末になると、手拭いをかぶって仏像や神仏の像や、飾り付けなどの大清掃をしている映像が流れるのを目にしますよね。

手拭いは、奈良・平安時代から存在しており、庶民は麻を、高貴な人たちは絹織物を使っていました。
綿は主として中国大陸などから輸入され、なんと絹より高価だったとか。
江戸時代初頭の前後に、日本でも大々的に栽培されるようになり、現在のような綿の手拭いが普及したそうです。

手拭いの端が縫われていないのを不思議に思う方も多いかと思いますが、水切れをよくして早く乾くようにという清潔さを保つための工夫なんです。

手拭いには、いいところがたくさん!

畳んでも薄いので、持ち運ぶときにも収納するときにもかさばりません。また、タオルと違ってすぐに乾き、濡れても嫌な臭いがしません。
生地が丈夫で傷みにくいので、長持ちします。嬉しいことに、アイロンを掛けるだけで新品のようによみがえります。
そして、デザインが豊富なので、使っていて楽しいことも魅力のひとつです。四季折々の柄があるので、季節や行事を意識して替える楽しみもあります。 

畳み方を工夫するだけで、様々な場面で大活躍

風呂敷と鶴

1,本を包む
手拭いはブックカバーとして使うことができます。
120cmの長さを使いますが、文庫本サイズ程度であれば、通常の90cmの手拭いでも作ることができます。
文庫本~新書~コミックスくらいまでは対応可能です。
両耳に柄の寄っているものや、全面に柄の入っているものだとやりやすいですよ。
手拭いのブックカバー、電車の中で注目浴びそうですよね。

2,お弁当箱を包む
お弁当バッグを利用している方が多いと思いますが、たまには気分を変えて、手拭いでお弁当を包んでみてはいかがでしょう。いつものお弁当箱が、懐かしさ漂うものに変身します。
もし汁がこぼれても、職場でささっと洗ってかけておけばすぐに乾くので、退社時間には乾いたものを持ち帰ることができるのも便利なところです。

3,バッグとして使用する
フラワーバッグ、リングバッグ、リーフバッグと、折り方を変えただけで、全く違う形のバッグになるのが風呂敷バッグの面白いところです。一つだけでも覚えておくと、エコバッグとしても使えていいですね。
普通のバッグに、手拭いをそのままの形で入れてお出かけすればかさばりません。買い物をしたときにささっと手拭いバッグを作れば紙袋が不要になり、エコに貢献できます。
 
4,ティッシュボックスを包む
手拭いの幅は、スリムタイプ~レギュラータイプのティッシュボックスのサイズにぴったり合います。畳んで、キュッと結ぶだけです。
市販のティッシュボックスカバーは、よほどのことがない限り買い直さないですよね。でも、この手拭いを使ったカバーなら、季節や部屋に合わせて手軽に替えることができます。

5,ワインや日本酒などのビンを包む
薄手で長さのある手拭いは、ビンを包むのに最適です。ワインや日本酒などのビンをプレゼントしたいときに悩むのがラッピングです。専用の袋もありますが、手拭いで包むと可愛くて、贈った相手にも喜ばれますね。

参考:永楽屋ブログ http://eirakuya.jugem.jp/?eid=387

6,くたびれてきた手拭いの活用
雑巾として使うと、薄いので手に馴染み、細かいところまで素手の感覚で掃除することができます。また、裂いて三つ編みにして紐として使うことができます。ラッピングのリボンとして、また髪を結ぶときにゴム替わりにしたり、靴紐として使ってもかわいいですね。

【豆知識】手拭いの染め方にはパターンがある

手拭いの加工方法には、大きく分けて、本染め(注染)・本染め(手捺染)とプリントの3種類の加工方法があります。

1,注染(ちゅうせん)
重ねた生地に染料を注入して染めるので、色数が限定されますが、伝統的な高級感漂うものができあがります。生地の表裏が関係なく染められ、グラデーションが可能です。色のにじみがあったり、色の耐久性が低く色落ちすることがあったりしますが、それが手拭いの個性を引き立ててくれます。

2,手捺染(てなせん)
手拭いらしい肌触り、色合いをそのままに、複雑な柄を再現できるのが特徴です。スキージーという木のヘラを使い、1枚1枚の型で色を染めていきます。
色数や線の細さ、柄の輪郭など、デザインには対応できますが、グラデーションはできません。
注染では完全に裏まで染料が染みますが、こちらは裏側には完全には染みません。

3,プリント
機械でプリントするために、カラフルで細かいデザインのものを作ることができます。アーティストのコンサートグッズにも多用されています。

オリジナルの手拭いを作りたい場合、長く使うものであれば注染や手捺染で製作することがお勧めです。手軽な販促ツールとして使うなど、大量に製作したい場合はプリント製作がよいでしょう。

参考:染の安坊 https://www.anbo.jp/tenugui/ordermade/some/

染め方の知識を持ってお店にある手拭いを見ると、選ぶ楽しみが増えますね。

まとめ

薄くて丈夫で多様な柄を楽しむことのできる手拭い。額に入れて飾ったり、海外へのお土産としてもかさばらないので人気です。1枚の布を折ったり結んだりするだけで、カバーやバッグなど、いろいろなものに変身できるのも魅力です。用途がたくさんある手拭いを、ぜひ活用してみてください。

文:山庭さくら

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