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2017/12/25

親からお金を援助してもらって家を買うときの節税対策

住宅ローンに関するブロガーとして著名な千日太郎さん。過去にお話しいただいた「ボーナス払い ダメ、絶対」「今の低金利時代に定期預金なんて勿体ない?ならば住宅ローンを繰上返済しよう」などが大変好評でした。今回は、親からお金を援助してもらって家を買うときの節税対策についてご紹介いただきます。(いえーる すみかる編集部)

こんにちは、ブロガーの千日太郎です。何を隠そう、わたしもマンションを購入するときに親から資金を援助してもらいました。早い話がお金を貰ったわけですが、その場合、我々には贈与税という税金が課せられます。

要するに「それも収入でしょう、だったら税金を課しますよ」ということなんですね。

しかし、2021年12月まではマイホームの購入代金に充てられる親や祖父母からの贈与は非課税になる(税金が課せられない)という制度があります。ラッキーです。

また、贈与っていうのは返さなくて良いお金なのですが、贈与ではなくいわゆる親ローンという方法もあります。親としても自分の老後資金が心配なので、あげるわけにはいかないけど、貸すのであればできる、というケースもあるしょう。この場合は借金であって収入ではありませんから、そもそも贈与税の対象にはなりません。

今回は、マイホームを購入するときに親が祖父母から贈与を受ける。または資金を貸してもらうときの節税の話です。では始めますね。

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贈与税が非課税となるのは8%の消費税なら上限1200万円、10%の消費税なら上限3000万円

そもそも、この贈与税の非課税というのは消費税の増税によって住宅消費が冷え込むのを防ぐためのものなんです。ですから消費税率が8%のときに家を買ったか、10%のときに家を買ったかによって非課税になる上限額が違ってきます。

具体的な非課税の限度額は下表の金額に基礎控除額110万円を足した金額です。

2016年1月~2020年3月までに住宅の売買契約をして、8%の消費税の適用を受けて住宅を購入した人及び個人間売買で中古住宅を購入した人

良質な住宅用家屋 左記以外の住宅用家屋
1200万円 700万円

2019年4月~2020年3月までに住宅の売買契約をした場合で住宅の引渡が2019年10月1日以降で10%の消費税の適用を受けて住宅を購入した人

良質な住宅用家屋 左記以外の住宅用家屋
3000万円 2500万円

例えば、2018年に優良な住宅用家屋を購入する人なら1200万円+基礎控除額110万円=1310万円までは、親から貰っても贈与税を納める必要が無いということですね。同時に親の財産が1200万円減るということは、将来親から財産を相続するときに払う相続税も減らせるということになります。

2019年4月以降の契約なら贈与だけで家が買えてしまう勢いです。しかしそのときの消費税が10%であることが条件ですので注意が必要です。実際、消費税の増税時期は一回延期されていますからね。

もしも、もう一度消費税の増税が延期されたとしたら、その分適用の時期もスライドして延期されることになります。

親ローンなら贈与税がかからない代わりに税務署対策が必要になる

次は、親からお金を借りる「親ローン」です。親から借りる場合は、返済することを前提にしているわけですから「贈与」には当たりません。なので、前述の贈与税の非課税枠というのは関係なく贈与税はかかりません。

じゃあ、表向きには一応借りたことにしておいて、実際は余裕のあるときだけ返すっていう手で非課税にできる?

そうは問屋は卸しません。税務署だってそのくらいのことは想定していますよ。マイホームを購入すると、何人かに一人は「購入した資産についてのお尋ね」という郵便物が税務署から届きます。千日のところにも届きました!多分、結構な割合で送っているんじゃないか?と思います。

「お尋ね」には以下の情報について、詳細な回答を求められます。

頭金を幾ら入れましたか?
その頭金はどの金融機関の誰の口座から払いましたか?
借入の金額はいくらですか?
借入はどの金融機関で誰の名義で借りましたか?

相手は公権力ですから「そんな個人情報答えたくない!」というのは通りません。税務署は回答と金融機関の記録とを照合します。公権力ですからそういう調査ができるのです。つまりウソの回答をしても金融機関の記録と食い違うので必ずバレるようになっています。

親から借りる場合は税務署に対する対策をたてておく必要があります。「借りたと言いながら、実質的には贈与じゃないのですか?」と聞かれたときに、「確かに借りたのです。」という反証を用意しておかなければ、贈与であると見なされるのですよ。

なので、借用書(利息を付けてちゃんと完済する内容のもの)を取り交わし、毎月返済していく必要があります。その返済は現金手渡しではなく、銀行振り込みで行いちゃんと金融機関の記録を残しておけば、「借用書どおりに借りたお金であって、現に返済している。」という証拠になります。

無利息や、利率が安すぎると贈与とみなされてしまうことがあります。サラリーマンが会社から借りた場合の利率が0.2%未満(2018年1月以降居住)のときは住宅ローン控除の対象外になる、というのが一つの目安になると思います。
(前回の「住宅ローン控除②」へのリンク)

また、親からの借り入れについては、金利がいくら高くても、金融機関の審査では「自己資金」として扱われます。融資の申し込みをするときに、車のローンなどが残っていると審査の上でマイナスになりますが、「親ローン」はそういったことはありません。

(注1)収入印紙は借入金額によります。

  • 50万円を超え100万円以下 1千円
  • 100万円を超え500万円以下 2千円
  • 500万円を超え1千万円以下 1万円
  • 1千万円を超え5千万円以下 2万円

まとめ~贈与税の非課税を上手に利用してファミリーの財産を守る

国としては、本当は贈与税ではなく相続税で税金を取りたいんですよ。贈与のタイミングは、こうした家を購入するタイミングからズらされたら税務署としても捕捉するのが困難ですよね。

これに対して、人が亡くなるというタイミングは、ズらすということはできません。逆にそれが出来たらヤバい話です。ほぼ確実に捕捉できます。

ですから、贈与税の非課税というのは国としても苦肉の策ということです。亡くなるまで待つよりも早く子供たちに財産を移させて、それで家を買ってもらうことで経済を活性化させたいということなんです。

「親ローン」の場合はそもそも非課税ですが、借りたお金は親に戻りますから相続のときには相続税がフルにかかってきます。そして「親ローン」は金利がいくら高くても住宅ローン控除の対象外です。借入残高が多くても税金が安くなることはありません。

この贈与税の非課税枠を賢く利用することで、ファミリーの財産を国に召し上げられてしまう額を減らすことが出来ます。上手に利用してくださいね。

最後は私事なのですが2018年1月27日にわたくし千日太郎の著著「家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本」が発売となります!もしよろしければ、お手に取って読んで頂けたら嬉しいです!

家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本
千日 太郎 (著) / 日本実業出版社

家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本

文:千日太郎

住宅ローンの選び方【中級編】by 千日太郎
第1回:自分にとっての住宅ローンとは何か?をあなたは知らない
第2回:変動金利とは何か?をあなたは知らない
第3回:固定金利とは何か?をあなたは知らない
第4回:「当初固定金利」とは何か?をあなたは知らない
第5回(前編):固定金利と変動金利のミックスローンとは何か?をあなたは知らない
第5回(後編):一定期間固定金利のミックスローンとは何か?をあなたは知らない

【千日太郎シリーズ】
・住宅ローン控除をフルに利用する繰上げ返済の千日メソッド教えます by千日太郎
・知らずにマイホームを買うと後悔する!?家を買うとき、買った後にかかる税金の話 by千日太郎
・老後破産で後悔しないために。定年までに住宅ローンを完済するためのコツ教えます。 by 千日太郎

千日太郎(ブロガー)
関西地方在住のブロガー。昭和47年生まれの公認会計士という以外は、詳細を明らかにしていない。自身もリーマンショックの年の2008年に新築マンションを購入し、住宅ローンを借りている。
インターネット上には家の購入や住宅ローンを選ぶときに役立つまともなサイトが少なすぎるという思いから「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える」及び「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」を運営しており、一般の人からの住宅ローンや不動産購入についての相談に無料で答え、個人を特定できない形でその質問と回答を公開している。

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