隣り合う2つの住戸をひとつにつなぎ合わせ、既存の間取りから大胆にリノベーションをする『ニコイチ』。
大阪府100%出資の大阪府住宅供給公社は、このニコイチの設計や施工を民間業者に任せることで、多様でデザイン性の高いリノベーションを実現しています。
2017年度の『ニコイチ』対象となったのは、大阪府堺市にある茶山台団地と寝屋川市にある香里三井C団地。
設計・施工を行う民間事業者の募集を行ったところ、9グループからの応募があり、審査の結果3事業者が提案する9つのプランが選定されました。
どのプランもプロの工夫が凝らされていて大変魅力的です。
現在、団地や集合住宅に住んでいる人は優秀提案の中から暮らしのヒントを得られるでしょう。
『新宅×ハプティック共同企業体』が提案する多様なライフスタイル
茶山台団地で実施する最優秀提案として選ばれたのは、『新宅×ハプティック共同企業体』のリノベーションプラン。
子育て世帯を対象にしていて、広々としたキッチンとリビングの間取りや機能性・デザイン性などが全体的に高く評価されました。
『充実のキッチンで料理好きママが主役』プランでは、台所でお料理会ができるよう調味料を置く棚や黒板壁が見られます。
また、『植物も人も気持ちの良い中間地帯』プランにはインナーテラスにある柱と梁に植物をぶら下げられたり、縁側で過ごせたりと植物に囲まれた暮らしを叶えられるでしょう。
『KINOarchitects+maruya共同企業体』で新しいライフスタイルを
3つのコンセプトからなる5パターンの間取りを提案した『KINOarchitects+maruya共同企業体』も入選。
テラスを拡張してサンルームを作ったり、エントランスを拡張してガレージを作ったりと2戸1化リノベーションならではの提案は高く評価されました。
収納性や機能性が高い点も魅力です。
『玄関とテラスをつなぐ通り庭』はパブリックとプライベート両面をあわせ持っていて、まるで町屋のような雰囲気が感じられます。
香里三井C団地では『長尾工務店・PERSIMON HILLS architects共同企業体』
香里三井C団地の最優秀提案として選ばれたのは、『長尾工務店・PERSIMON HILLS architects共同企業体』のニコイチ。
『内出窓と窓間』をテーマにしていて、内側に出っ張る内出窓と、人の居場所になる窓間を組み合わせたインテリアを提案しています。
窓間を3つ設けたり、LDKはホワイトを基調にしたりして、暗くなりがちな団地を明るく見せているところが魅力です。
窓まわり空間のデザインにはこだわりつつ、全体はシンプルかつフレキシビリティの高い空間を生み出した点も評価されました。
もっと詳しい情報を知りたい人はURLからチェックしてみましょう。
URL: https://www.osaka-kousha.or.jp/x-whatsnew/2017_chayama-kourimiic/kekka.html
それぞれの団地の概要
茶山台団地
所在地:大阪府堺市南区茶山台2丁1番・2番
総戸数:981戸(29棟)
『ニコイチ』住戸は現状10戸・今年度5戸施工予定
構造:鉄筋5階建
交通:泉北高速鉄道「泉ヶ丘」駅より徒歩約10分
香里三井C団地
所在地:大阪府寝屋川市三井が丘5丁目5番
総戸数:340戸(8棟)
『ニコイチ』住戸を今年度5戸施工予定
構造:鉄筋5階建
交通:京阪本線「香里園」駅より京阪バス約12分「三井ヶ丘」バス停より徒歩約3分
団地のリノベーションに期待!
今回選定された9つのプランの住宅は、2018年1月から入居者募集を行う予定です。
子育て世代などの若年層に魅力的な住宅を供給することで、地域のまちづくりが活性化するのかもしれませんね。
リノベーションを検討している人は参考にしてみてはいかがでしょうか。