住宅ローンのほか、管理費や修繕費の支払いが必要なマンション。月々の支出を考えると負担が多いように感じますが、個人で管理しなくても修繕費が積み立てられるメリットもあります。
一方戸建ての場合、マンションのように毎月修繕費を用意する必要はありませんが、マンションと同様に長年住んでいると、経年劣化で設備の老朽化が進みます。そのため、自身で修繕の備えが必要です。
問題は、故障などのトラブルがいつ発生するか分からないということ。いつか訪れるメンテナンスのことを考えると、将来のために修繕費を積み立てておくと安心ですし、精神的な負担も抑えられます。さらに、交換や修理時期を把握するために、各設備のメンテナンススケジュールを立てることも大切です。
5年がポイント!戸建修繕のスケジュールを立てよう
修繕のスケジュールは、1年ごと、数年おきに細かくスケジュールを立てることもできます。しかし、これから何十年も住むことを考えると細かすぎるスケジュールであるほど管理が大変です。
戸建てで修繕のスケジュールを立てるなら、入居から5年を1回目のメンテナンスに。その後5年ごとにメンテナンスを行うのがおすすめです。5年ごとなので分かりやすいですし、スケジュールも組みやすくなります。
5年、10年、15年、20年、25年ごとに行いたいメンテナンスを確認して、5年区切りのメンテナンスのスケジュールを立ててみましょう。
5年ごとに行いたいメンテナンス
- フローリングの補修
- ガス調理器などの交換や点検
- ドア・ふすまの点検
- キッチンや浴室の水栓金具の交換や点検
- 浴室乾燥機のメンテナンス
5年という短いスパンで行うメンテナンスは、普段よく使って、劣化しやすい部分がポイントです。特に注目したいのが、フローリングと水栓金具。
フローリングは普段からワックスがけなどを心がけていても、カーペットを敷いて保護していないと、すぐに擦り傷やへこみができてしまいます。簡単な傷はホームセンターで売られている補修材でも修繕できるので、点検と合わせて補修しておくと良いです。
また、水栓金具も壊れやすい部分。特に冬場は凍結による水栓金具へのダメージでパッキンにひびが入り、水漏れが起きることも少なくありません。水漏れがあると水道代もかさんでしまうので、しっかり点検を行いましょう。
10年ごとのメンテナンス
- 照明器具の交換
- たたみ表替え
- クロスの張り替え
- 備え付けIH調理器具や食器洗い機、換気扇のメンテナンス
- 温水洗浄便座のメンテナンス
- 雨どいの部品交換
- 外回りの塗装(壁の塗り直し)
クロスやたたみ、外壁の塗装は日焼けによる劣化が起こりやすい部分です。数年おきにメンテナンスする必要はありませんが、10年に1度は修繕するくらいのペースで考えておきましょう。
他にもキッチンやトイレなど、普段使用する備え付けの電化製品もメンテナンスの時期。10年目で故障がなくても、そろそろ交換の時期にきているので修繕費の用意をしておくと安心です。
15年ごとのメンテナンス
- ふすまや障子の交換
- トイレの交換
- 洗面化粧台の交換
新築から15年も経つと、大きい設備にも劣化が現れる時期。ふすまや障子の他、場合によってはトイレなどの交換も考えなければなりません。トイレの場合、便器は陶器でできているため耐久はありますが、15年も経つと汚れが落ちにくくなってしまいます。さらに、トイレの水回りの配管やタンク内の部品は、交換の時期がだいたい15年です。
トイレ全体の見た目だけでなく、パッキンや配管など細かい部分を含め、機能的におかしな部分はないか確認しておきましょう。ちなみにトイレのリフォームの相場は、20~60万円ほど。場合によってはリフォームをする気持ちで準備しておくと安心です。
20年ごとのメンテナンス
- キッチンの修繕
- 浴室の修繕
こまめに掃除を行っていても、水をよく使用するキッチンや浴室は20年もすれば古くなり、ところどころに傷や故障が起きることも少なくありません。キッチンや浴室のリフォームを検討してみるのも良いでしょう。
内容にもよりますが、浴室やキッチンのリフォームの相場は50~100万円ほど。設備のメンテナンスとしては、ある程度まとまった費用がかかります。