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2017/08/28

ナオトがはらった不倫の代償とは《前編》 〜マダム・リリーのお悩み相談サロン【Case.6】〜

蔦に覆われたポスト

とある閑静な住宅街の一角に、ひっそりとたたずむ小さな洋館。
木々にかこまれたその建物には、さまざまな悩みを抱えた人たちが、次から次へと訪れます。

「マダム・リリー」
この洋館でサロンを営む女主人を、彼らはみなそう呼びます。

本名、年齢、経歴不詳。
どんな悩みに対しても、「私も経験あるわ」が口癖で、普通は言いにくいようなことでも、サラッと一刀両断するのがマダム流。
解決できるかわからないけれど、そんなマダム・リリーの話を聞きに、悩みを抱える人々が昼夜を問わずやってくるのです。

さて、今宵やってきたのは、パリッとした高級そうなスーツを着込みながらも、顔は憔悴しきって青ざめた男性。

いったい、どんな悩みを抱えているのでしょうか?

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リリー「あら、いらっしゃい。ちょっと、あなた顔が真っ青だけど大丈夫?相当しんどいことがあったみたいね。どんな悩み?」

ナオト「……えっと、はい、大丈夫です。最近ずっと体調が悪くて……。言いにくいんですが、僕、不倫してまして。はじめは軽い気持ちというか、久々の恋愛ごっこに浮かれてたんですが、だんだんのっぴきならない状況に追い込まれてきまして……。

相手の子は、二十歳の看護学生なんです。彼女、キャバクラでバイトしていて、最初はそこで知り合って。若くて可愛いし、話も面白くて。気に入ったのでお店に通ったり、同伴したりしてるうちに仲良くなって。

だんだんと外で普通にデートしたりするようになったんです。お店に通うとお金もかかるし。お恥ずかしながら、若い体に夢中になりました。それに、甘えてきたり頼られたりするのも気分が良かったんです。人生相談も受けたりして。喧嘩とかもしたけど、彼女が本気で怒るのも楽しんでましたね。ちょっとプレイの延長というか。

正直、僕の方は、キャバ嬢と客っていう、お店の延長線上にある関係くらいに考えていて。まあ、体の関係もあったけど、たまにお小遣いも渡したりしていたんで、彼女の方も割り切ってると思ってたんです。

でも、彼女の方はそうじゃなかったんですよね。すごく本気だったんです。僕みたいな関係の男は、他にもけっこういるのかと思ってたんですが、僕だけで。いつの間にか、僕に悪いからってことでキャバクラもやめていて。彼女は苦学生で、キャバクラをやめたから看護学校に通うお金が足りないと相談されて、少し援助したりもしました。

「付き合う」とか、はっきりしたことは言わないようにしてたんです。僕には妻がいますし。愛人をつくるなんてことまで思ってないし、ましてや離婚して彼女と一緒になるなんて、まったく考えていませんでした。僕の方はあくまで、一時的な火遊びのつもりで、彼女は魅力的だったけど愛してはいなかったです。

妻とは、若い頃に出会って結婚したので15年くらいの付き合いになります。賢い女性で、仕事のパートナー的なところもあって尊敬してますが、もう恋愛って感じじゃないですよね。子どももできなかったし、夜の生活の方もずいぶん前になくなってました。最近、妻も起業したので忙しく、ルームシェアしてる同志って感じかな。けど、もちろん愛してますし、離婚なんて考えたこともなかったです。

言ってしまえば、僕はセックスと恋愛ごっこをたまに楽しめればよかったんですよ。でも、そんなに都合よくはいかなかったんですよね。彼女の言動が、日ごとにおかしくなってきて。いつの間にか、彼女の中で僕は正式な恋人になってました。「奥さんにいつ別れるって言ってくれるの?」って言ってきたり。連絡もかなり頻繁にくるようになってて。

このままいくとやばいという予感はあったんですよ。でも、けっこう頻繁に会うようになってて、旅行にも行ったり、妻には見せられないような恥ずかしい性癖も見せたりしていたので……。彼女は苦労人だったし、精神的な病を持ってるのもわかってきて、情も移っていたので簡単には見捨てられないというのもありました。

それでもきっぱりと、そこらへんで引き返していたらと今は後悔しています。彼女は完全に僕に依存するようになってて、やっかいだなという気持ちの反面、その関係性が、身体的にも精神的にも、正直気持ち良かったんです。だから別れきれずに、結局ずるずる続いてしまったんですよね。

「奥さんといつ離婚するの?」というようなことを言われたら、なんとなくはぐらかすようになってました。「いずれ離婚はするつもりだけど、今は無理」というような適当なことを言って、その場をごまかしたりもしたかもしれません……。

あっ、なんか僕ばっかりダラダラとしゃべってますよね。すみません。本題に入る前に、前置きが長くなっちゃいました……。」

リリー「ふふ、いいわよ。なかなか興味深い話だから、聞いてるだけで面白いわ。それにあなた、アドバイスがほしいっていうより、聞いてほしい、吐き出したいって感じよね? ことの顛末がどうなったか知らないけど、今さら私が何か言ったところでどうなるものでもなさそうだし。」

ナオト「まあ、そうですね……。でも、マダムに聞いてもらってるだけでも、いくらか楽になります。」

リリー「ふふ、それならとことん聞くわよ。で、それからどうなったの?」

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ナオト「そうこうしてるうちに、いよいよ彼女の言動が激しくなってきて。仕事中にもしょっちゅう連絡がくるし、返さないと鬼のように着信が入ってて。会えないなら自殺するって脅してきたり。実際に、リストカット癖もあったのでスルーもできなくて。

彼女がピルを飲んでるから大丈夫と言っていたので、僕は避妊してなかったんですが、「2人の子どもが欲しい」とかも言い出して。ピルを本当に飲んでるのかも怪しくなったので、避妊しようとしてもさせてくれず。「もし子どもができたらどうする?」って聞かれたので、「もちろんうれしいけど、今は育てるのは無理だから、おろすしかないよ」って答えたりもしました。

その時にはもう怖くなってきて、どうやって穏便に別れるかを考えるようになっていました。で、とりあえず一度距離を置こうって言ってみたんです。そうしたら、彼女が「今までの2人のことを、ブログに細かく記してある。今は非公開にしてるけど、会ってくれないならそれを公開する」って言ったんです。

僕、実はIT業界ではけっこう有名なエンジニアでして。仕事は本当に真面目にやってきたので、カリスマエンジニアなんて言われたりして、信奉してくれる人たちも大勢いたんです。芸能人みたいにテレビで取り上げられはしなくても、実名で不倫のブログが出たら、ネットでは騒ぎになるに決まってます。いくつかのIT系の大きな会社の役員にもなっているので、立場的にもまずいんです。

なので、どうにかなだめて、そのブログを見せてもらったんです。戦慄しました。本当に詳細に、出来事や僕の言動、彼女の気持ちなどが書かれていて、LINEでのやり取りのスクリーンショットや、ふざけて撮った行為中の動画まで、たくさん貼り付けられていました。

それにそこには、僕の子どもを妊娠したけど、僕の言動と今の状況から、仕方なく黙って堕胎手術を受けたことが書かれていました。すごくショックでした。時期を考えると、ちょうどそれがあった頃から、彼女の精神状態が顕著におかしくなってたと思います。」

リリー「ずいぶん泥沼になってきたわね……。」

『ナオトがはらった不倫の代償とは《後編》 〜マダム・リリーのお悩み相談サロン【Case.6】〜』 につづく。

文:つかまい子

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