すみかる住生活版

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うま味がたっぷり入った、だし(出汁)のある生活を楽しもう!

昆布、いりこだし

だしの素、昆布といりこ


平成25年12月に『和食~日本人の伝統的な食文化~』がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
このときに挙げられた和食の特徴は次の4つです。

  1. 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
  2. 健康的な食生活を支える栄養バランス
  3. 自然の美しさや季節の移ろいの表現
  4. 正月などの年中行事との密接な関わり

 
中でも最近、特に世界から注目を浴びているのが、和食に欠かすことができない『うま味』。
そして、このうま味がたっぷり入っているのが、だし(出汁)です。だしを上手に使って健康な食生活を手に入れましょう。

『うま味』っていったいどんなもの?

甘味・酸味・塩味・苦味・うま味は5つの基本味。グルタミン酸やイノシン酸、コハク酸などによってもたらされる味をいいます。
うま味を上手に使うことで、動物性油脂の少ない食生活ができ、健康に役立つと考えられています。

最初に発見されたうま味成分は、だし昆布の中から発見されたグルタミン酸です。
その後、鰹節から抽出したイノシン酸や、シイタケの中から抽出したグアニル酸も、新たなうま味成分と分かりました。
味見のときに「だしがきいていない」とよく言いますが、2000年には舌にうま味を感じる能力があるということが証明されています。

代表的なうま味成分のうち、アミノ酸の一種であるグルタミン酸は植物。核酸の一種であるイノシン酸は、動物に多く含まれることが多い成分です。そして、『うま味の相乗効果』と言って、この両方が食品中に混ざり合うとうま味が増加。
実際に日本料理では、単独のだしではなく、昆布だしと鰹だしやシイタケのだしを合わせる、といった調理が行われています。

『だし』をメインにしたお店が続々登場!

だし茶漬け

だしを感じるお店も

お得なだしのスタンドバー『日本橋だし場』

最近、目にするようになったのが『だし』のスタンドバーです。
筆者は、羽田国際空港に行ったときに、江戸小路にある『日本橋だし場』のだしスープをいただくのを楽しみにしています。
だしを紙コップで立ち飲みする時代が来るなんて、びっくりですよね。

このだしスープの魅力は栄養価だけでなく、その香りやお得感です。
削りたての本枯鰹節を使ってあるだけに、ひとくち飲むと、口の中に香りが広がります。
『日本橋だし場』の場合、かつお節だし、かつお・昆布合わせだしのスープが120mlで100円(税込)とリーズナブルです。

本店では、だしと野菜のうま味が詰まった和風ミネストローネや、刺身用真鯛とささがきごぼうの上にだしを合わせた鯛めしなどもあります。

日本橋だし場本店の詳細はコチラ 

だしのお茶漬けが美味『だし茶漬けえん』

六本木ヒルズには、だし茶漬け専門店の『だし茶漬けえん』があります。
このお店のだしは、昆布といりこの旨みに、宗田節、鯖節、鰹節で香りとコクを加えた和風だし。そして、鳥ガラスープを混ぜて味をととのえたものです。

『漬けマグロの漁師風だし茶漬け』『小海老・小柱・磯天のだし茶漬け』『旬の素材を使用した季節のだし茶漬け』などがいただけます。

だし茶漬け専門店『だし茶漬けえん』の詳細はコチラ

だしの効いた具のないラーメン『澄まし麺 ふくぼく』』

最近オープンした話題のラーメン屋『澄まし麺 ふくぼく』は、なんと具のないラーメン。麺とスープのみのラーメンは、よほどスープに自信がなければ提供できません。スープは、上質な真昆布からとった、だしに塩を加えただけでけのもの。

ラーメン屋としての営業時間はお昼の2時間半のみで、夜は割烹・小料理屋『蒼穹』として営業しています。そんなお店だからこそ出せるラーメンなのでしょう。

『澄まし麺 ふくぼく』の詳細はコチラ(食べログ)

自宅でもできる!簡単な『だし』のとり方

昆布だし

実は簡単な『だし』のとり方

だしをとると聞くと、時間を計り、ふきこぼれないように見張ったり、こしたり、手間がかかって面倒くさいイメージがあるのでは?
ここでは簡単にできるだしのとり方をご紹介します。

昆布水を作ってみましょう

昆布は様々なビタミン、ミネラル、食物繊維が含まれた食材です。
グルタミン酸等のうま味で、塩の代わりとしても役立つことがわかっています。

  1. キッチンばさみで、だし昆布をなるべく細く切る(5cm四方4枚で10gくらい)
  2. ポットなどの容器に水を1リットル注ぐ
  3. 1の昆布を入れて3時間以上、できれば1晩漬ける

漬けておくだけで簡単にできますし、保存期間が約2週間もあります。
これを味噌汁や煮物のときに使ってみましょう。
また、インスタントラーメンを作るときに、この昆布水を使うと、よりおいしくいただけますよ。

『だしポット』を使って電子レンジで作ってみましょう

自宅でだしを作るときは、簡単にだしがとれる『だしポット』を使うのがおすすめです。
だしポット「にんべんネットショップ」の詳細はコチラ

このポットの場合、かつお節18gに水600mlを入れて、500wの電子レンジで7分加熱すると550mlのだし、みそ汁約3杯分がとれます。(分量は側面に記載)
斜めに立てかけて、最後の1滴まで落としきることができるので経済面でもうれしいですね。

ちょっぴり本格派!天然粉末だしを作ってみましょう

粉末だしは、サッと使えるので便利が良いですよね。
実は、粉末だしは自宅でも作ることができます。
作り方はとても簡単です。
鰹節やだし昆布、いりこ、干し椎茸などを少し小さくカットしてから、ミルミキサーやフードプロセッサーなどで粉末にするだけ。
いろいろな組み合わせで試してみましょう。

いりこを使用する場合は事前に処理してからミキサーにかけましょう。

  1. 頭や腹をとる
  2. 煮干しの水分を飛ばすために電子レンジにかける(600Wで2分、少し冷ましてから、さらに1分)

このひと手間でおいしくなります。

市販の天然だしを使う方法も

どうしても面倒くさい方におすすめなのが、市販の化学調味料無添加の天然だし。
手軽に使えて便利です。

だしを使って食卓にうまみを

工夫すれば、だしは意外に簡単にとることができます。
料理が格段においしくなるなら、使わない手はないですね。
いろいろな具材と一緒に『だしの世界』を楽しんでください。

文:山庭さくら

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