みなさんは、継続して読んでいるブログがありますか?
また、文章を書くことが好きな人であれば、読むだけではなく、一度は自分もブロガーになろうと考えたことがあるのではないでしょうか?
ところが実際にブログを書き始めても、継続する難しさに直面し、アクセス数も思うように伸びないからと途中で挫折してしまう人が多いようです。出版したりイベントをしたりしているブロガーは特別な人で、自分にはそんな運がないからと、すぐにあきらめてしまってはちょっとさみしい気もしますね。
今回、今年の1月に『恐怖の婚活回想記』(カドカワ)を出版、7月に雑誌アンアンからの取材を受けた、婚活で人気のプロ・ブロガ―三重県さんにお話を伺うことができました。彼女の憧れを現実にしてきた過程を詳しくお伝えします。また、イラストにも参加していただきました。
*三重県(アメブロ公式ブロガ―)
アラフォー主婦がアラサー時代の婚活を書いた、2014年から始まったブログ『恐怖の、婚活回想記』が大人気。
婚活ブロガー三重県 誕生秘話
当初は、身近な友人たちに向けて、気ままに婚活時代の記録をもとにしたブログを発信していたそうです。しばらくして、友人のひとりの会社で流行りだしたと知らされ、その時に初めて「見知らぬ人も読んでいる」と意識し、ブロガーとして目覚めていきます。
それから3年間は鳴かず飛ばずの時期を過ごし、アメブロの公式ブロガ―に応募するも一度は落選。その数か月後に、サイバーエージョント(アメブロの運営会社)からスカウトメールを受け、ここから、婚活ブロガ―三重県としての本格的な活動が始まります。
「週5日の合コン、毎日のメール。年間500人の男女と出会い、会話し、記録する。これは私がアラサー期に経験した、婚活の研究記録をもとにしている」と、書籍の冒頭にも書かれている、この過酷な2年間の婚活体験を特化ジャンルとして活かしたことが、大勢いるブロガーのひとりではない三重県さんを確立させました。実体験をもとに書かれたリアルで力強い文章は、婚活中以外のファンも増やしていきました。
ブロガ―のこと教えて! 三重県さんへインタビュー
・ブログを書いていていちばん嬉しかったことは何ですか?
「同じ志をもったブロガー仲間と会えたこと。出版できたこと。ブログを励みとして結婚しましたという連絡をもらったことです」
・嫌だったことは?
「特にないです。嫌なことというわけではないけれど、いつ辞めるのだろうとふと考えることがあります」
・ネタに尽きて困ることはありますか?
「そうありません。婚活時代の記録ノートの記憶をたどったり、現役婚活女子を取材したりもします。テレビや雑誌の婚活特集は、見逃さないようアンテナを張っています」
・PVは気になりますか?
「気になりますよ。でもあまり変動はありません」
・アクセスを集めるために何か工夫をしていますか?
「真剣に書き続けることです」
・書くときに気を付けていることはありますか?
「読まれることを意識して記事を書こうと思っています。これからも、より多くの人により楽しんでもらえるよう、もっと作品(文章)のクオリティを高めていきたいです」
より良い作品にするため、書き終えた後は少し時間をおいてから、文章を削ることをメインに、読み返すことを心掛けているそうです。どの質問にも、はっきりと即答してくれる姿に、ブログや書籍の切れ味の良い文体が重なりました。
メッセージ ~身近なテーマを見つけ、書き続けよう~
現在の三重県さんからは、頑張らないといけないという力みをまったく感じません。
過酷な婚活期を送ったことが信じられないほど、自然体で、柔らかい雰囲気の持ち主です。ブログを始めたときも3日間で終わるかもしれないからと、なんとなく出身地の三重県を名乗ったそうです。ここにも力まない姿勢が表れていますね。
最後にプロ・ブロガ―を目指している人達にメッセージをお願いしました。
「自分にしか書けないものが必ずあると思います。特別なことではなく、身近なテーマのほうがむしろ読まれると思います。そして、ひたすら続けること。最初は、周りの友人に読んでもらって反応を探るというのも一つの方法だと思います」
ブログには、よく友人たちが登場し、思い合う気持ちが伝わってきて、読んでいるこちらも温かい気持ちになります。私たちも、そんな風に支え合える人間関係を普段から大切にしていきたいですね。
好きなことを仕事にして生きたい
婚活を経て、自身にとって最高のパートナーと出会い、可愛い男児を出産した三重県さんは今、子育ての真っ最中。仕事をする時間は当たり前に短縮されましたが、その分、集中力が増し、以前以上に取り組むことができているそうです。
誰しもが心の中で思う「好きなことを仕事にして生きたい」という願いを、実現している三重県さん。自分の強みをよく知り、それをどう活かすかを心得ている人でした。
このことはブログの世界だけではなく、楽しんで生きていくためのヒントかもしれませんね。
心の奥にしまい込んだブロガーになる夢。もう一度、掘り起こし、挑戦してみてはいかがでしょうか?
文:ツキヤタケコ