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2017/04/27

子どもやペットを守るための植物知識 ~安心・安全を考えたガーデニングのすすめ~

子どものいる家庭では、普通では考えられない事故が発生する危険性があります。その代表的なものが「誤飲」です。
気軽に購入できる園芸植物のなかには「有毒植物」が多く存在しています。また、人には問題がなくてもペット(犬・猫)に有害な植物もあります。何も知らずに、子どもやペットが、そうした植物を飲みこんでしまったら……

これからガーデニングを始めようと思っている人や、すでに楽しんでいる人も、大切な家族の命を守るために身近な植物に潜む危険を知り、事故を未然に防ぎましょう。
 

料理の添え物のアジサイの葉を食べて食中毒? 身近にある毒植物の危険!

 

2008年6月、料理に添えられたアジサイの葉を食べて食中毒になるという事例が2件発生しました。この食中毒を機に、厚生労働省は有毒植物を食品と共に出したり、食べたりしないように注意喚起をしました。

アジサイの喫食による食中毒についての参照記事
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/080818a.pdf

本記事では、身近な園芸有毒植物で、子どもやペットに有害な代表的なものご紹介します。有毒植物の毒の強さは、品種、固体による差が大きいですが、毒が強い場合を基準に考えたほうが安心です。

(1) 子どもやペットがいる家庭では、死亡例がある有毒植物を植えない、置かない、飾らない!

厚生労働省はウェブサイトに過去10年間の有毒植物による食中毒発生状況(平成19年~28年)を掲載しています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/yuudoku/index.html

死亡例数の1位はイヌサフラン(6人) 、2位はトリカブト(3人) 、3位がスイセンとグロリオサ(各1人)です。ほかにも、キョウチクトウ、スズラン、ジキタリス、ヒガンバナ、フクジュソウなどに過去や外国での死亡例があります。

有毒植物 (イラスト:空兎羽留)

 

死亡例数の第1位、イヌサフラン(コルチカム)は葉がなく、花だけが咲いている姿は、子どもの興味を引きます。室内に球根を放置しいるだけでも開花するのがおもしろくて、私も子どものころ毒植物と知らずに育てたことがありました。
人もペットも死亡例が多く、葉はギョウジャニンニクとキボウシ、球根はジャガイモやタマネギ、花はミョウガと間違えられやすいので最も注意したい有毒植物です。

バーベキューの串代わりに使っただけで7人の死者を出したというキョウチクトウは、すべての部分、燃やした煙、周辺の土壌にも毒性があります。
剪定を行う際にはゴム手袋をするなど気をつけなくてはいけませんし、剪定した生木を燃やすのも厳禁です。

スズランの毒は水溶性で、活けた花瓶の水も有毒です。外国ではベリーと間違えて赤い実を食べた子どもの死亡例が多いそうです。

(2)  おなじみの植物にも注意が必要

アサガオ、オシロイバナの種は腹痛・下痢・嘔吐、ホウセンカは嘔吐・胃腸炎などを引き起こします。幼稚園児、小学生が種取りをするとき、口にしないように注意します。
ニチニチソウ、シクラメンはとても身近ですが、毒性が強いのでガーデニングでは幼児の手の届かない所に植えましょう。

ツツジ、シャクナゲ、アセビの仲間も毒を持つものが多いです。子どもたちが花蜜を吸う遊びがありますが、レンゲツツジなど有毒成分が多い品種があるのでやめましょう。

アヤメの仲間も有毒で、汁液が皮膚につくと皮膚炎を起こします。端午の節句のショウブ湯のショウブは、花が地味な「匂い菖蒲」と呼ばれる別品種で、「アヤメ科のハナショウブ」の葉ではないので注意しないといけません。

(3) 家の中の危険~観葉植物~

皮膚炎を引き起こす毒性成分として知られるシュウ酸カルシウムは、植物中では針状の結晶で存在します。食べた直後に唇の腫れや、口の中のしびれ、嘔吐などを引き起こします。

サトイモやハスイモと間違え食べてしまった中毒患者が多いクワズイモのほか、ディフェンバキア、スパティフィラムなどサトイモ科の観葉植物に多く含まれます。子どもやペットの手の届かないところで管理しましょう。
 

「知らなかった」ではすまない ペット(犬・猫)のための有毒植物の知識

 

ペットは人と違い、飼い主が有毒植物から守ってあげる必要があります。また、個体が小さいほど、少量の有毒植物を食べても危険が伴います。

(1)(2)で紹介した植物のほか、イチイ、チョウセンアサガオ、タマスダレ、トウゴマ、カロライナジャスミン、ソテツ、アマリリス、デルフィニウム、ラークスパー、ヒナゲシ、ランタナなど、人間にとっての有毒植物はペットにも同じように有毒です。

ここでは、人は大丈夫だけれど、犬と猫に害のある植物をまとめてみました。犬と猫に危険な植物はだいたい共通で、ネギ類がよく知られていますが、犬か猫、どちらかだけに強い毒性をしめす植物もあります。

猫にはユリが少量でも危険です。デイリリーともよばれる園芸品種ヘメロカリスも危険です。
犬に有毒なのはブドウ、アーモンド、マカデミアナッツです。犬はナッツが好きなので注意が必要です。

たくさんあるので挙げきれませんが、グラジオラス、カランコエ、ジューンベリー、トマト、ドゥランタ、ミントの仲間、フジバカマ、カーネーション、キキョウ、パンジー、アジサイ、ポインセチア、ロベリア、シュッコンカスミソウなどはペットに害のある植物です。嘔吐、下痢を引き起こすカスミソウを好む猫がいるようなので注意が必要です。

猫のいるご家庭では、切り花を含め、家の中に猫に有毒な植物を置かないのが基本です。
犬、猫で問題になる観葉植物はアイビー、ドラセナ キボウシなどですが、人間にとって害のある観葉ディフェンバキア、デルフィニィウム、ポトスなども人間以上にペットに害をもたらします。

アボカドも種に毒成分が多く、死亡の恐れがあるので、種から観葉植物として育ててみるのもやめましょう。害のある種類が多いので、逆にペットに無害の観葉植物を探すほうが近道です。

もしペットが有毒植物を食べてしまったら、症状が出てからでは手遅れの場合があります。下痢・嘔吐などの症状が出ていなくても、速やかに受診するのがおすすめです。
 

安全にガーデニングを楽しむにはどうすればいいの?

 

有毒植物は種類が多く、すべてを把握するのは困難です。
安全にガーデニングを楽しむためには、身の回りの植物をそのつど、みずから調べる必要があります。ガーデニングでは、園芸植物としての観賞価値や価格が優先されていますが、子どものいるご家庭では「どこまで安全に有毒植物を管理できるか」を基準に植物を選んでみてはいかがでしょうか。

子どもに「危険を教える」のも大切です。
たとえば、種子を口に入れやすく少量でも重症になりがちな幼児にも「種は絶対に食べない」など、口に入れてはいけないものを教えましょう。また、危険だからすべて排除ではなく、親がまず知識をもって有毒植物との適切なつきあい方をくり返し教えましょう。
子どもが成長して、植物を使って遊ぶ場面で友だちを守れるくらいになったら素敵ですね。

ペットのいるご家庭では、ペットに害のある植物を学び気をつけて散歩し、庭や家の中に有害植物を置かないようにしましょう。
家庭菜園をする場合も、食用にする植物と観賞植物の場所をはっきりと分け、植木の間に食用のものを植えたりしないようにして、名札をつけておくといいですね。また、毒のあることが多い球根が土から半分出ていても危険です。ペットがかじったり、子どもが似ていると思って、玉ねぎや、いもの中に片づけてしまうかもしれません。

有毒植物による被害は、知識さえあれば避けられるものが多くあります。危険を学んでいたら、好奇心で口に入れることはないでしょう。

植物は種類が多く,有毒成分もさまざまです。
食中毒を起こすもののほかに、皮膚炎を起こすものがあります。子どもは植物を触った手で目をこすったりしがちなので危険です。大人も子どももガーデニング手袋など完全防備で作業して、植物を触ったあとはきれいに手を洗いましょう。

それでも有毒植物の事故が起きてしまったら、食中毒や皮膚炎の原因を特定するため、どこで何の植物を食べたか、さわったかをメモし、嘔吐物、食べ残しやその植物があれば病院に持っていきましょう。

みなさんが自宅の家具を選ぶ際、デザインや価格の前に、設置場所のサイズに合っているか、必要な機能を備えているかをチェックしませんか。
家具を実際に設置したところをシュミレーションしながら、とことん気に入った物を探すでしょう。

植物も家具同様のこだわりをもって探してみませんか。間違いのない植物選びも、優先順位をつけて調べることから始まります。植物を置いたり植えたりする空間の利用目的が子どもと遊ぶことだったら、その場にふさわしい植物をイメージできるはずです。

有毒植物の知識は家族の命を守る可能性があります。私もこの記事を書いたのを機に、自分がいなくなったら有毒植物だとわからなくなってしまう植物を庭から排除しようと決めました。
安全なガーデニングを楽しむために、ご自宅の植物をリストアップし、チェックしてみてはいかがでしょうか。

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